essais
【エセー007】まずは自分たちが楽しむ。
「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」 僕が敬愛するタモリ(森田一義)さんの言葉です。 きっとそういうことです。 。、
【エセー006】無駄を取り入れてみる。
日本の建築には、床の間(とこのま)という空間あります。 和室における一段高くなっているスペースで、掛軸をかけたり、花を生けたりする空間なのですが、なかなか不思議だとおもいませんか。 日々の暮らしにおいて、床の間が絶対に必要かと言われるとそんなことはないはずです。(今では無い家のほうが多いくらいですね) ご飯をつくったり食べたりするわけでもないし、そこに座って休むこともなく、なにかを収納するわけでもない。 なくても生きてゆける空間にも関わらず、床の間はそこにあります。 それはなぜでしょうか。 。、。、。、 床の間は、心を向ける場所なのだと思います。 なにかが書かれている掛軸、あるいは生けられた草木と同じ空間にいることで、意識が “なんとなく” そこに向きます。 この心の動きを、日本人は大切にしてきたのでしょう。 無用の用。 必要な無駄。 自然な不自然。 「無駄」と「必要」は共存するわけです。 おもしろいですね。 ...
【エセー005】すべてを語らず、受け手に委ねる。
「想像力は、宇宙を包むことができる」 とアインシュタインは言いました。 僕は、人間の想像力に興味があります。 想像力は時間を自由に行き来することができ、空間に囚われることもなく、光のスピードさえも超えます。 物事を説明することは、理解への難易度を下げることができますが、同時に想像力に縛りを掛けます。 100の理解まで引き上げることはできても、120の世界に到達するためには想像力が必要です。 。、。、。、 原作を読んだことのある作品の映画を観て がっかりした経験はありませんか? 僕は何度もあります。笑 自分の頭の中で無限に広がっていた色彩は、いざ映像化されると途端に色褪せてしまい、あんなにもキラキラと輝いていた美しいイメージは幻へと消えて去ってしまいます....(すべての作品とは言いませんが) 作曲するときも同じことに陥りやすいのですが、これは脳内のイメージを具現化するときのジレンマと言えますね。 。、。、。、 現代社会においては具体的にすることが好まれるようですが、抽象的な状態のほうがずっと自由で楽しいはず、というのが僕の仮説です。 俳句が森羅万象を表現できるのは、5・7・5という限られた音数のなかに、そもそもすべてを詰め込もうとしていないからです。 蓮根の穴に時空の歪みあり(平夜繭) ...
【エセー004】目立つのではなく、溶け込む。
“晴れと褻(ハレとケ)” という言葉をご存知でしょうか。 晴れとは、非日常のこと。 「晴れ着」「晴れ舞台」などの言葉があるように、冠婚葬祭や行事ごと、特別な日を指します。 褻とは、日常のこと。 ごくごく普通で、変わり映えのない生活を指します。 当然ながら、暮らしの大部分を占めるのは、「褻」です。 しかし、SNSの普及によって、僕たちは毎日のように「だれかの晴れ」を間接的に目撃するにするようになりました。 個人にとってたまにしかない非日常も、世界中のあらゆるタイミングで、晴れの出来事は起きているわけです。 (毎日新しい命が生まれ、死ぬように) そして、だれかの晴れの情報が日常的に入ってくるようになると、ひとは自分の今日さえも特別なものにしたがる傾向があるようです。 ただ、晴れというのはエネルギーを使います。 慣れていないことをするわけですから。 それが毎日となると、疲れます。 ちょうど、毎日背伸びをしながら歩いているようなものです。 QUTOTEN.の哲学に 「目立つのではなく、溶け込む。」 を入れたのは、 褻のなかにも豊かさがあり、...
【エセー 003】美しく、機能的である。
僕は、飛行機の形が好きです。 なぜかというと、 あれは人間が考えうる最も機能的な形だとおもうからです。 もし、飛行機がかっこよさを求めたらどうでしょうか? 翼の形を無理に変えたり、必要のない装飾を施したり。 そんなことをしたら、安全面が下がってしまいます。 そんな飛行機には乗りたくないですよね。 飛行機は、最も安全な飛行ができる形を追求しています。 だから、どの航空会社の飛行機もだいたい同じ形をしています。 全人類が共通して「ベスト」の形と認識しているということです。 そして、これからもっと機能的な形にアップデートしていくことでしょう。 この姿勢は、ものづくり全般に言えることだとおもいます。 「機能美を追求すればするほど自然に近づいていく」 というのが僕の持論です。 飛行機の例のように、機能美を追求することは、自然法則を味方にすることです。 そしてQUTOTEN.でつくるプロダクトは、 見た目のよさ以上に、機能性を重視しています。 水が流れやすい角度、穴の大きさ、高台の高さ、肌に触れるときの質感、重み。 建築家のアントニ・ガウディがこんなことを言っていました。 「私たちが読み解くよう努力しなければいけないものは自然である。その偉大なる本はつねに開かれている。」 自然という偉大な本から人類が読み解いた知恵は、まだ宇宙における一握の砂。 QUTOTEN.は、自然に近づいていくようなものづくりを追求します。 。、
【エセー 002】自然体である。
自然体ってなんでしょう。 そもそも、自然ってなんでしょう。 悠然と佇む山々。 鬱蒼と木々が生い茂る森。 清らかに流れてゆく川、その水が流れ込む海。 雲が浮かぶ空、雨、雪、雷。 春夏秋冬、季節の移ろい。 この地球に存在する物理的な意味での自然。 あるいは、精神的な意味での自然。 あるがままに生きる。 背伸びしないこと。 ふるまいに違和感がないこと。 無理がなく、リラックスしている状態。 抽象的であいまいだけど、 心地よさがある言葉。 具体的な定義を決めるのは野暮ですね。 ことばで表現できることはあまりに限られています。 『自然体である』という哲学には、 どこにいても、なにをしていても、 「うん、大丈夫だ」とおもえる御守りのような力があります。 QUTOTEN.から、 そういう力が生まれることを目指して。 。、