【エセー005】すべてを語らず、受け手に委ねる。

【エセー005】すべてを語らず、受け手に委ねる。

 

「想像力は、宇宙を包むことができる」

とアインシュタインは言いました。

 

僕は、人間の想像力に興味があります。

 

想像力は時間を自由に行き来することができ、空間に囚われることもなく、光のスピードさえも超えます。

 

物事を説明することは、理解への難易度を下げることができますが、同時に想像力に縛りを掛けます。

100の理解まで引き上げることはできても、120の世界に到達するためには想像力が必要です。

 

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原作を読んだことのある作品の映画を観て

がっかりした経験はありませんか?

 

僕は何度もあります。笑

 

自分の頭の中で無限に広がっていた色彩は、いざ映像化されると途端に色褪せてしまい、あんなにもキラキラと輝いていた美しいイメージは幻へと消えて去ってしまいます....(すべての作品とは言いませんが)

 

作曲するときも同じことに陥りやすいのですが、これは脳内のイメージを具現化するときのジレンマと言えますね。

 

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現代社会においては具体的にすることが好まれるようですが、抽象的な状態のほうがずっと自由で楽しいはず、というのが僕の仮説です。

 

俳句が森羅万象を表現できるのは、5・7・5という限られた音数のなかに、そもそもすべてを詰め込もうとしていないからです。

 

蓮根の穴に時空の歪みあり
(平夜繭)

 

もともと解釈の余白がある前提で、作り手も受け手も想像力を働かせる———こういう遊びって、人間の特権だとおもいます。

 

「すべてを語らず、受け手に委ねる。」

というQUTOTEN.の哲学には、そんな背景がございました。

 

是非とも自分の感覚や解釈を信じ、それを楽しんでいただけると嬉しいです。

 

どんなものであっても、僕はその世界を応援します。

 

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