essais
![【エセー004】目立つのではなく、溶け込む。](http://qutoten.jp/cdn/shop/articles/essais-004.jpg?v=1718666989&width=533)
【エセー004】目立つのではなく、溶け込む。
“晴れと褻(ハレとケ)” という言葉をご存知でしょうか。 晴れとは、非日常のこと。 「晴れ着」「晴れ舞台」などの言葉があるように、冠婚葬祭や行事ごと、特別な日を指します。 褻とは、日常のこと。 ごくごく普通で、変わり映えのない生活を指します。 当然ながら、暮らしの大部分を占めるのは、「褻」です。 しかし、SNSの普及によって、僕たちは毎日のように「だれかの晴れ」を間接的に目撃するにするようになりました。 個人にとってたまにしかない非日常も、世界中のあらゆるタイミングで、晴れの出来事は起きているわけです。 (毎日新しい命が生まれ、死ぬように) そして、だれかの晴れの情報が日常的に入ってくるようになると、ひとは自分の今日さえも特別なものにしたがる傾向があるようです。 ただ、晴れというのはエネルギーを使います。 慣れていないことをするわけですから。 それが毎日となると、疲れます。 ちょうど、毎日背伸びをしながら歩いているようなものです。 QUTOTEN.の哲学に 「目立つのではなく、溶け込む。」 を入れたのは、 褻のなかにも豊かさがあり、...
![【エセー 003】美しく、機能的である。](http://qutoten.jp/cdn/shop/articles/essais-003.jpg?v=1718177539&width=533)
【エセー 003】美しく、機能的である。
僕は、飛行機の形が好きです。 なぜかというと、 あれは人間が考えうる最も機能的な形だとおもうからです。 もし、飛行機がかっこよさを求めたらどうでしょうか? 翼の形を無理に変えたり、必要のない装飾を施したり。 そんなことをしたら、安全面が下がってしまいます。 そんな飛行機には乗りたくないですよね。 飛行機は、最も安全な飛行ができる形を追求しています。 だから、どの航空会社の飛行機もだいたい同じ形をしています。 全人類が共通して「ベスト」の形と認識しているということです。 そして、これからもっと機能的な形にアップデートしていくことでしょう。 この姿勢は、ものづくり全般に言えることだとおもいます。 「機能美を追求すればするほど自然に近づいていく」 というのが僕の持論です。 飛行機の例のように、機能美を追求することは、自然法則を味方にすることです。 そしてQUTOTEN.でつくるプロダクトは、 見た目のよさ以上に、機能性を重視しています。 水が流れやすい角度、穴の大きさ、高台の高さ、肌に触れるときの質感、重み。 建築家のアントニ・ガウディがこんなことを言っていました。 「私たちが読み解くよう努力しなければいけないものは自然である。その偉大なる本はつねに開かれている。」 自然という偉大な本から人類が読み解いた知恵は、まだ宇宙における一握の砂。 QUTOTEN.は、自然に近づいていくようなものづくりを追求します。 。、
![【エセー 002】自然体である。](http://qutoten.jp/cdn/shop/articles/essais-002.jpg?v=1718171869&width=533)
【エセー 002】自然体である。
自然体ってなんでしょう。 そもそも、自然ってなんでしょう。 悠然と佇む山々。 鬱蒼と木々が生い茂る森。 清らかに流れてゆく川、その水が流れ込む海。 雲が浮かぶ空、雨、雪、雷。 春夏秋冬、季節の移ろい。 この地球に存在する物理的な意味での自然。 あるいは、精神的な意味での自然。 あるがままに生きる。 背伸びしないこと。 ふるまいに違和感がないこと。 無理がなく、リラックスしている状態。 抽象的であいまいだけど、 心地よさがある言葉。 具体的な定義を決めるのは野暮ですね。 ことばで表現できることはあまりに限られています。 『自然体である』という哲学には、 どこにいても、なにをしていても、 「うん、大丈夫だ」とおもえる御守りのような力があります。 QUTOTEN.から、 そういう力が生まれることを目指して。 。、
![【エセー 001】Tradition is Transition.](http://qutoten.jp/cdn/shop/articles/essais-001.jpg?v=1718171589&width=533)
【エセー 001】Tradition is Transition.
伝統には、「古いもの」というイメージがあるかもしれません。 しかし、僕たちは伝統に対して「新しいもの」と定義しています。 なぜならば、伝統として残ってきた技術やノウハウは、つねに時代のニーズを掴まえ続け、柔軟に形を変えてきた結果だからです。 鋳金の人間国宝である大澤光民氏が、こんなことを言っていました。 「伝統とは、絶えず新しいものである」 光民氏の作品は、鋳金という長く続く技術を継承しながらも、非常にモダンな印象を受けます。 高度な技術に裏付けられた、きめ細やかなで迷いのない模様。 線の一本一本から、光民氏の人間性が垣間見えます。 伝統と深く向き合っていると自ずとこのような創作性が出て、結果的に新しくなっていくのかもしれません。 挑戦の先に、新しいものが生まれます。 技術やノウハウもまた然り。 偶然の出来事から生まれた現象が、ときに形を成すこともあります。 それらが地層のように積み重なってきたのが伝統ならば、いま地表に出ている伝統が、その最高到達地点だと考えるとなんだか心躍りませんか。 挑戦すれば失敗するし、新しいものはときに批難を浴びる。 それでも、伝統と関わりたいから。 Tradition is Transition. (伝統とは、絶えず新しいものである) そんなことを考えながら、QUTOTEN.は 日本の伝統の素晴らしさを発信していきます。 。、